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オバロド2:小道具:指輪

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第2話「階層守護者」


指輪の使い方について

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 ふつう指輪を渡すということは「相手に強い好意がある」ことを示すが、この指輪には特に好意はない。
指輪にワープ機能のようなものがあるらしく、「実用的だから使ってね」程度の意味しかない。
しかし指輪をもらったマーレは喜ぶ。

 指輪の「好意」という感情を「実用性」という機能で上書きすることによって、今回の話のような展開が可能になる。
これは要するに与える側・もらう側は、「感情」か「機能」か選ぶことができるということだ。
ここでモモンガは「本当にマーレのことが好き」(感情)で指輪を与えてもいいし、マーレは「好きになってくれて嬉しい」(感情)と喜んでもいいし「指輪が役に立ちそう」(機能)と喜んでもいい。
今回はマーレが「指輪を迷わず左手の薬指にはめる」ことでモモンガから何を受け取ったかがわかる。

 この場面にさらにアルベドが加わることで、モモンガから指輪をもらうことがいかに重要なことかを強調している。
これのおかげで指輪を「機能」として与えたモモンガと、「感情」を受け取ったマーレ・アルベドの間にギャップが生まれている。

 ギャップはもう一つあり、それはアルベドが作り出している。
アルベドは「モモンガの前ではおとなしくしている」が、内心は「指輪が欲しくてたまらない」という二面性がギャップを生んでいる。

 けっきょく指輪で何が表されたかまとめるとこうなる。
モモンガは部下との距離感がうまくつかめず、現在の状況になじめていない。
一方で部下たちからは絶対ともいえる好意を集めていて、恋愛でいえば既にこじれている。
アルベドはモモンガのことが大好きだが、モモンガの前ではしたないことはしたくない。

 短い場面ではあるが、指輪一つで人間関係が端的に説明されている。