小道具:メガネ 焦点がぼやける
影鰐-KAGEWANI-
Episode1:駑馬
駑馬(ドバ)……動きがのろい馬、才能のない人。
三人いるが重要なのはリーダーの一人で、メガネをかけることで存在感をアピールしている。
ここではメガネを見た目の差別化として使っている。
三人組が奥へと進んでいく。
ここでは焦点が奥の三人組から手前の網に切り替わっている。
前景のテープには『入らないでください』と書かれていて、奥にぼやけた三人がいる。
焦点がぼやけるのは命を落とすことの伏線だ。
メガネを落としてしまい、代わりにカメラを使うシーン。
焦点を失う展開がここにもつながっている。
メガネが壊れることは危機的状況を表し、視界が奪われることでさらなるピンチに追い込まれる。
メガネがある=平常時 → メガネが壊れる=異常事態
として、メガネを状況変化を示すキッカケとして使っている。
メガネの赤色は目立ちたいという欲の強さ、そして血へとつながるものだろう。
そのまま逃げれば助かったのだろうが「有名になりたい」という欲求に勝てず、けっきょくカメラのおかげで殺されることになる。
メガネを知性のメタファーとして考えると、メガネを落とすことは男を判断ミスへ誘う。
そしてカメラを使うことで視界を回復させるという、変な使い方を思いついてしまう。
視界を奪われた不安・UMAを撮りたい欲求・判断ミスなどの要素が重なった結果だ。