アニメキャプチャー解説

映像作品の面白さが1%上がるブログ

下着が赤なら死んでいた

影鰐-KAGEWANI-
Episode2:氷牙


f:id:animecap0831:20151011204150j:plain

f:id:animecap0831:20151011204213j:plain

f:id:animecap0831:20151011204219j:plain

 唯一顔を見せた人間が主人公。
先頭を歩き後続の仲間を見下ろし、この中で一番体力があることをアピールする。



f:id:animecap0831:20151011204805j:plain

 仲間の一人が低体温症で倒れる。
ここでもハッキリと表情を見せているのは一人だけなので、誰が主人公か迷うことがない。



f:id:animecap0831:20151011205051j:plain

 対立しているが、原因は中央に寝ている病人だ。
主人公はあと少しだから登りたいが、残りの三人は急いで帰るべきだと主張する。
背景の縦線が対立を強調している。

 低体温症の男がどうなったかは不明なのだが、生き残る者・死ぬ者でも分かれているのかもしれない。



f:id:animecap0831:20151011205457j:plain

 クローズアップで「どうしても登りたかった」という切なさを強調している。

 背景が赤色と黄色で二分され、個人的な「父を探したい」という願望と「プロとして帰らなければ」という意識の葛藤が見える。



f:id:animecap0831:20151011210130j:plain

 意見がまとまる場面。
彼女が遠く小さくなり、三人の男の視線が集まる。

 背景の半円のアーチが彼女を覆い逃げ場がないように囲んでいる。
手前の赤い男が両肘を外に出し、体を大きくさせているのも主人公が小さく見える要因の一つだ。

 病人の頭が主人公側に置かれ、彼女の決断でこの者の運命が決まるということを示している。
主人公は小さくなり弱々しいが、それでも一番頭の位置が高いためリーダーとしての資質が期待されている。



f:id:animecap0831:20151011211150j:plain

f:id:animecap0831:20151011211156j:plain

f:id:animecap0831:20151011211210j:plain

 天井のランプにクローズアップし、光を消して時間を盗む。
目尻に涙があり悔しさが伺える。
ランプの光が消えることは「父を探せなくなった」という希望の消失も意味している。



f:id:animecap0831:20151011212350j:plain

 ハイアングルからのロングショットが絶望的な状況を表し、女の子座りがさらに弱さを強調する。
中央は明るいが、画面の周りが暗く追い詰められている感じがする。



f:id:animecap0831:20151012002536j:plain

 主人公が女性なのはこのシーンを魅せるためだろう。

 そして化け物が左側、女性を右側に配置している。
これは距離を空けるためだ。
化け物がゆっくりと詰め寄るところに緊張感が生まれるので、はじめにできるだけ距離を取っておく必要がある。



色彩設計

f:id:animecap0831:20151011211721j:plain

f:id:animecap0831:20151011204805j:plain

 化け物は視覚を熱で捉えているが、主人公たちの衣装はこれと合わせた色になっている。
赤が高温で、黄色・緑・青と冷たくなっていく。



f:id:animecap0831:20151012124211j:plain
 下着が黒なのも同じ理由で、このシーンが最も低い温度だからだ。
もちろん色で温度が変わったりはしないが、下着が赤だと見つかるような気になる。