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オバロド4:小道具:プレゼントの内容を視聴者に知らせるか

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第4話「死の支配者」


プレゼントの使い方について

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 戦士長がモモンガからアイテムを受け取る場面。
前回は村娘がモモンガからプレゼントを受け取ったが、今回の話でも同じことが起きている。
ただし今回はアイテムの受け渡しがスムーズに行われている。
これは村娘のときにあった付加情報「モモンガは悪魔顔」という警戒心がなくなったからだ。
村娘のときと戦士長のときを対比して、モモンガがつけた仮面の効果を表現している。

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 しかし今回の状況と前回の状況では、大きく異なることがある。
それは戦士長に渡したアイテムの効果は、視聴者にもわからないということだ。

 前回は二進数を用いて情報の有無を表した。
0がプレゼントの内容を知らない、1が知っている。
左が村娘、右がモモンガとして
00
01
10
11
の四パターンを作った。

ここでさらに、視聴者に知らせる・知らせないの情報を加えて倍の八パターンを作れる。
長いので省くが、000~111の八パターンだ。
また視聴者に知らせない場合は、「いつ視聴者に知らせるか?」というタイミングの問題も生まれる。

 今回は戦士長が知らない(0)、モモンガが知っている(1)、視聴者に知らせない(0)ので010のパターンになる。
視聴者に知らせるタイミングは、戦士長がピンチになったときだ。
といっても視聴者に知らせるかどうかは、シナリオの骨組みには影響せず、「視聴者にどう見せるか?」が焦点になっている。

 前回モモンガは村娘に回復アイテムを渡したが、
もしも視聴者に薬ということを伝えなかった場合は、村娘の反応を見るまで効果がわからないので視聴者は少しドキドキすることになる。
可能性としては、本当に毒薬ということもありえる。
ただ「モモンガの善意が伝わらない」展開としては、視聴者に薬と知らせて村娘に警戒されるのがベストだ。

また視聴者が知らされていない道具を信用して受け取る戦士長に対して、いい人だと思う傾向も生み出せる。
視聴者に「この人はモモンガを警戒しないんだな」と思わせられる。

 道具の効果を説明しないことは、視聴者の期待を引きつける効果をもつ。
要するに「戦士長はモモンガからの道具を使うことで助かる」ことはわかっているのだが、「いつ、どのような形で助けてくれるか」はわからない。
そしてわからないのは視聴者も一緒なので、ここで視聴者と戦士長の心情が一致し感情移入しやすくなる。

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