アニメキャプチャー解説

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下セカ:シンボル:洞窟

下ネタという概念が存在しない退屈な世界
第5話「下ネタテロは誰が為に」


洞窟について

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  主人公・奥間がアンナから逃げ、洞窟に入り込んでしまう場面。

 洞窟は光が届かない暗闇の中そのものなので、冥界や地獄など危険なところと意識される。
それらが喚起する一番の感情は不安だ。

原始的には、洞窟は寒い日や天候の悪い日に避難する場所だった。
火もない頃にはすることもなく、誰かと話すか、さもなければ自分の内面と向き合うしかなかった。

しかし明るい解釈もあり、それは子宮や再生と結びつけられる。

 なぜ不安と子宮がつながるのかというと、それは人間の赤ちゃんが光の届かない体内に宿り生まれるからだ。
光は人が暗闇にいるときにもっとも強く輝き、人間は不安の中から新たに生まれる。
だから光と闇は表裏一体のものとして解釈される。

 RPGで勇者が洞窟に潜り、成長して戻ってくるのはこれと無関係ではない。
洞窟には誕生のイメージが含まれている。

 もちろん洞窟というのはシンボルの一つであり、正確には「洞窟のようなもの」であれば何でもいい。
例えば、『進撃の巨人』ならば巨人の体内が洞窟に相当する。
話を思い返すと、死と直結することの方が多いのは確かだが、主人公には新たに力が宿ったり、精神的な成長を遂げるシーンがあったはずだ。

「腹の中」は食べ物を消化する危険な場所かもしれないが、エネルギーを作り出すところでもあるので、ここは単なる暗い場所ではなくて生命的な力にも満ちている。

 現代社会で考えると、教会など深い瞑想のような体験ができるところが洞窟に近い。
もちろん教会が洞窟になるかどうかは個人の資質に大きく左右されるが、自分と向き合い精神的成長ができる可能性を秘めている。