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オバロド5:小道具:お金とポーション

オーバーロード
第5話「二人の冒険者」


 プレゼントまでの流れ

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 主人公・モモンがお金を支払う場面。
ただの支払いシーンだが、ここでは「超レアアイテムを山ほど持っている主人公がお金を正確に出している」ところに意味がある。
つまり主人公はお金に余裕があるわけではない。

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 主人公が男を飛ばしたところ、女性の青いポーションが破損してしまう。
主人公は代わりに赤いポーションを女性に渡し、女性はもらったポーションがよくわからなかったので鑑定に出す。

 ここで先ほどの支払いのシーンが活きることになるが、主人公は弁償できないので代わりに赤いポーションをプレゼントする。

 主人公は何とかして壊したポーションの穴埋めをしたいのだが、お金があればお金を支払って終わりになってしまう。
お金のない主人公がポーションを壊してしまったから、新しいものをプレゼントする必然性が生まれる。
つまりお金の支払いのシーンでは、お金で弁償するという選択肢を排除する役割がある。
もちろんお金がないことにも理由があり、お金がないから仕事を探すという展開にもつながる。
「弁償する必要がある」ということを示すため、女性が頑張って青いポーションを手に入れたという説明も必要で、これは女性が口頭ですませた。
もしポーションが一般家庭に普及していて気軽に買える物であれば、そもそも弁償しなくてもいい展開もありうる。
 
 またここでは一般的な青いポーションと、主人公の持つ赤いポーションが対比されている。
もちろん青いポーションはそこそこの効果で、赤いポーションは貴重なものだ。
赤いポーションの貴重性は、それを鑑定しなければわからないということと、鑑定士の説明によって強調される。

前々回で少し触れたが、赤いポーションを鑑定に出す流れは受け取った女性に知識がないことを意味する。
つまり主人公の持つ赤いポーションは貴重すぎて一般的でない。
この場面で女性が赤いポーションを知っていると、視聴者は「冒険者の間ではそこそこ知られているのでは?」と思い主人公の価値が下がってしまう。

 主人公の優位性の世界観には二つの選択肢がある。
一つ目は、世界にとって赤いポーション大変貴重であり、その存在はあまり知られていない。
二つ目は、世界にとって赤いポーションまったく未知のものであり、主人公は神に等しいかゴミ程度の力を持っている。

主人公の強さを引き立てたいなら、前者の世界観の方が都合がいい。
鑑定士がいて「この赤いポーションはすごい代物だ!」と言ってくれるからキャラクターたちが主人公をスゴイやつだと思い、視聴者もその感覚を共有する。
その価値をわかるにもそれなりの知識が必要で、最高の芸術家が描いた絵画でも素人だと「なんかよくわかんない」と思いがちなのと一緒だ。


後者の場合は主人公が最強の世界観になる。
世界に赤いポーションを知ってる者がいないのだから鑑定もできない。
基本的に「赤いポーション? なにこれすごい!」と相手のリアクションが決まってしまい、話も作りにくい。
赤いポーションのことは誰も知らないので、主人公が全部説明したり使うところを見せなければ理解もされない。

 

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