アニメキャプチャー解説

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対立していない二人になぜ距離があるのか?

  学戦都市アスタリスクの三話で、女性と男性が二人きりでいる場面。

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 二人の間には距離があるが、対立関係にあるのだろうか?
六花の勇者を参考にしてみたい。



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 対立関係は、間に障害物を置き縦線で区切り両者に別々の背景を割り当てる、といった見せ方ができる。

これと比べると、距離があるだけで対立関係にあるとは断言できない。
しかし、実際に二人は離れているので親密であるともいえないだろう。

 先ほどのアスタリスクの続きを見てみたい。



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 ここでは女性が男性に近寄った。
男性と仲良くなりたいと思っているのだ。

 俺物語にも女性が男性に近寄る状況があるので見てみよう。



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 少女が画面右からフレームインして大男の元へ歩いていった。
これは少女が大男に告白するという場面で、大男と仲良くなりたいという気持ちが表れている。

 キャラの「仲良くなりたい」という心情を「距離を詰める」という行動で視覚的に表現しているが、見せ方でさらに細かい状況を表現することもできる。

アスタリスクでは、女性が視覚的に上位にあり、男性を狩ろうとする強さがある。
俺物語では、男女が同じ水平に立ち、純粋に距離を縮めようとしている。

 また、距離があれば時間的な間も取れるので緊張感が増す。
これはカゲワニに例があった。



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 化け物に見つかったら食われるという危機的状況だ。
両者にある間が緊張感を発生させているが、女性には逃げ場が存在しないので黙っているしかないという状況も視聴者をヒヤヒヤさせる。

 話の展開としては、キャラAが行動してキャラBがリアクションするという相互作用で作られていくが、カゲワニの例ではリアクションを封印されている。
この強い行動制限が緊張感を生む。
生存するためには化け物に見逃してもらうか第三者に助けてもらうほかなく、女性に選択肢は用意されていない。

アスタリスクも俺物語も迫られた側に逃げ道が存在するが、カゲワニだけはそれがない。


 いくつか距離のある例を見てきた。
アスタリスクには上下関係があり、俺物語には水平な関係がある。
そしてカゲワニでは逃げ道がなく一方的な支配関係しかなかった。

共通しているのは、後の展開でどちらかが距離を詰めるということだ。