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ユーフォ9:サボテンの花

響け!ユーフォニアム
第9話「おねがいオーディション」


 ブランコ・車窓・サボテンには裏の気持ちがあった。
それは相手のための嘘であり、自分を守るための嘘であった。

強がり

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 失恋した葉月が強がる場面。
葉月は立って・逆向きにブランコに乗っている。
ふつうに座っている緑輝とは対照的だ。


 そして葉月の体がブランコの柱で切り裂かれている。
ここには葉月の嘘がある。
体が境界線で二つに分かれているということは、自分の立場が二つあることを示している。
つまり、自分の中に心が二つある。
といっても人間なら誰にでもある「本音と建前」といったもので、別に特別な心ではない。

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 カメラが少し右に動いて、ジャングルジムが現れた。
これによって窮屈な印象を受ける。

 この場面では、三人全員が別々の結界の中にいる。
三人ともブランコの柱で区切られて、同じ場所にいるのに別々の立場にいる。
葉月の恋愛の件は誰が悪いわけでもない。
しかし全員が自分の立場で自分が悪いと思ってしまう。

 そしてジャングルジムのある結界にいるのは久美子だ。
久美子がジャングルジムに重なっているため、久美子が閉じ込められているように見える。

久美子の足元にはブランコが投げ出され、次に乗るのは久美子なのではないかと思わせる。

秘めた感情

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 電車内で久美子と葉月が秀一ついて話している場面。
葉月が「久美子は秀一が好き」と指摘する。

そこでこの一瞬のカットが挟まれるが、ふつうに見ていると「ん? いまのカットはなんだ?」と思う。
これは久美子が自分の心深くに隠れていた感情を見つけてしまったことを表している。
そしてその感情は否定すればするほど強くなっていく。

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 サボテンについて調べたが、サボテンはなかなか花を咲かせないらしい。
このことから内気な乙女花言葉がついた。

心の奥に秘めた秀一への感情に気づきかけている。
そして「そんなはずはない」と感情を否定する久美子だが、否定するほどにその存在を確実なものへとしていく。

終わり

 今回の話では、表に潜む裏側にスポットが当てられていた。
他人から見ればすぐわかることが、なぜか本人には本気でわからない。
しかし長い時の間で、それに気づくチャンスはいくらでもあった。
人は無意識のレベルで気づきたくないことを排除してしまう。
もし気づけたのならば、花を咲かせるかどうかは自分の心次第となる。

 

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