WORK8:小道具:渡せなかった誕生日プレゼント
WORKING!!!
8品目 ミスティック・シュガー
プレゼントをためて想いを強くする
四年分の誕生日プレゼントを渡す場面。
似た例としては「好きな人のために毛糸のマフラーを編んでいたが、渡す機会がなくてすごく長いマフラーができあがった」などがある。
どちらも時間の蓄積と物体の体積がともに増えていることが特徴だ。
誕生日プレゼントを四つ渡すことで、四年間の時間的な広がりを認識することができる。
「四つの誕生日プレゼント」と「すごく長いマフラー」の違いは数え方にある。
誕生日プレゼントは基本的に一年に一個だけ渡せばいいものだ。
マフラーは一日でどの程度長さを伸ばせるかが明確でないため、長さが微妙な場合はすごさが伝わらない。
今回のWORKING!!!では、
・前日に誕生日を知る
・仕事で買い物をする時間がない
という制約をつけた上でプレゼントを渡しているので、ずっと前に買っていたことが明確に示されている。
この制約がないと、慌ててプレゼントを四つ買ったという解釈ができるため面白さが半減する。
・時間が経過しても物は増えない場合
例えば、とある戦士が勇者のためにすごい剣を手に入れたのだが、勇者は死んでしまって剣は渡せずじまいで時間だけが過ぎていった、というような状況だ。
剣にホコリが被ったり、戦士は年老いるだろうが剣は増えない。
・時間経過とともに物が減っていく場合
この場合では制限時間の表現ができる。
『美女と野獣』では「花びらがすべて落ちる前に真実の愛を見つける」ことが目的だった。
この場合も残りの花びらが少ないため、視聴者は「たくさんあったであろう花びらがこんなに少なくなった」と感じられ、時間的な広がりを認識することができる。